投資信託が投資初心者におすすめの理由
政府は「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと、国民の投資促進を推奨しています。
これは年金制度だけでは将来の老後生活を十分に保障できないという現実を反映しています。
近年、FIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指す若い世代を中心に、資産形成への関心が高まっています。
「投資を始めたいけど、専門知識が必要でハードルが高い」と感じている方も多いでしょう。
そんな方々に最適なのが投資信託です。
専門家による運用管理により、投資の知識がなくても始められます。
少額投資が可能で、分散投資によるリスク軽減も期待できます。
さらに、NISAやIDeCoなどの非課税制度を活用すれば、税負担を抑えながら効率的な資産形成が可能です。
この記事では、投資信託の基本から実践的な投資方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
資産形成の第一歩として、投資信託の魅力を一緒に学んでいきましょう。

投資を始めるなら、初心者の方には特に投資信託がおすすめです。一緒に学んで資産形成を頑張りましょう!
投資信託とは
投資信託とは専門家に資産を託し、管理・運用を行い集めたお金を運用してくれる金融商品になります。
投資をはじめるなら、まずは投資信託から始めてみることを強く推奨します。
投資信託はその他の投資と比べて比較的リスクが低い投資です。
通常の株式投資 | 投資信託 | |
---|---|---|
最低投資額 | 銘柄により数万円~数十万円以上 | 100円から |
運用方法 | 自分で銘柄選択 | 専門家が運用 |
分散投資 | 自分で行う必要あり | 自動的に分散投資 |
手数料 | 取引手数料のみ | 信託報酬が必要 |
リスク | 個別銘柄のリスク | 分散によりリスク低減 |
時間的コスト | 銘柄分析が必要 | 少額で始められる |
非課税制度 | 対象外 | NISA・IDeCoで非課税 |
投資信託のメリット
投資信託には以下の3つの大きなメリットがあります。
少額から始められる
通常の株式投資ですと100株を1単元として扱い、1つの会社の株を購入するだけでも、ある程度のまとまった資金が必要になります。
例えば、1株1,000円の企業の場合、最低でも10万円程度の資金が必要になります。
一方、投資信託は100円から投資が可能です。
分散投資ができる
投資信託は複数の株式や債券などに分散して投資することができます。
例えば、全世界株式に投資する投資信託を購入すれば、1つの商品で世界中の企業に投資することが可能です。
これにより、特定の企業や国に投資するリスクを分散させることができ、より安定した運用が期待できます。
また、少額からでも分散投資ができるため、個人投資家にとって非常に効率的な投資方法と言えます。
非課税制度が充実している
効率的な資産形成を助ける非課税制度 投資信託の多くは、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度の対象となっており、これらを活用することで税金の負担を抑えながら効率的に資産を育てていくことが期待できます。
NISA制度(2024年開始の新NISA)
2024年から始まった新しいNISA制度では、非課税で投資できる金額や期間が大幅に拡充されました。
つみたて投資枠:年間120万円まで積立投資が可能
成長投資枠:年間240万円まで、個別株や幅広い投資信託などに投資が可能
年間合計投資枠:上記2つの枠を合わせて最大360万円まで投資できます。
生涯非課税保有限度額:全体で1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)。
iDeCo制度
iDeCoは、原則60歳まで引き出せない私的年金制度ですが、税制上のメリットが大きいのが特徴です。
掛金:全額所得控除の対象となり、毎年の所得税・住民税が軽減されます(掛金の上限額は加入する方の職業や状況により異なります。例えば、自営業者等は月額最大68,000円、会社員の場合は企業年金の有無等により上限が変わります)。
運用益:運用期間中の利益も非課税で再投資されます。
受取時:年金または一時金として受け取る際にも、公的年金等控除や退職所得控除といった税制上の優遇措置があります。 これらの制度をうまく活用することで、特に長期間の資産形成を目指す場合には、税負担軽減のメリットは非常に大きくなります。
ただし、これらの制度を利用しても、投資信託自体の元本が保証されるわけではなく、市場の変動による価格変動リスクは常に伴うことを理解しておくことが大切です。
インデックスファンドとアクティブファンド
投資信託は、運用スタイルによって大きく異なり、『インデックスファンド』と『アクティブファンド』の2種類に分けられます。
これらは運用目標や手数料などに違いがあります。
インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500といった特定の市場指数(インデックス)に連動する運用成果を目指す投資信託です。
一方、アクティブファンドは、市場指数を上回る運用成果を目指し、投資の専門家(ファンドマネージャー)が独自の調査や判断に基づいて積極的に銘柄を選定する投資信託です。
今回、特に初心者の方におすすめしたいのは、このうち「インデックスファンド」です。
インデックスファンドを推奨する主な理由としては、一般的に以下の2点が挙げられます。
- 多くのアクティブファンドが、長期的には市場平均(インデックス)を上回る成績を安定して出し続けることが難しいと言われている点
様々な調査や研究で、手数料を考慮する前であっても、インデックスファンドの成績(つまり市場平均)を一貫して上回り続けるアクティブファンドは少数であるという結果が示されています。 - 手数料(信託報酬)の差
アクティブファンドは、銘柄調査や分析にコストがかかるため、インデックスファンドに比べて信託報酬が高めに設定されているのが一般的です。
そのため、仮にアクティブファンドが市場平均を多少上回る運用成績を上げたとしても、高い手数料を差し引いた後の実質的なリターンでは、低コストのインデックスファンドの方が有利になるケースも少なくありません。
もちろん、優れたアクティブファンドも存在しますが、初心者の方がそれを見つけ出すのは容易ではなく、まずは低コストで市場全体に分散投資できるインデックスファンドから始めるのが合理的と考えられるためです。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
---|---|---|
運用目標 | 市場の指数に連動することを目指す | 市場平均を上回るリターンを目指す |
運用コスト | 低い(年0.1〜0.3%程度) | 高い(年1〜2%程度) |
運用方法 | パッシブ運用(銘柄選択の裁量が少ない) | アクティブ運用(運用者の裁量で銘柄選択) |
期待リターン | 長期的には市場平均のリターンを得られる | 市場平均を上回る可能性もあるが下回るリスクも高い |
おすすめ銘柄
インデックスファンドの投資信託で特にオススメできる銘柄2つを紹介します。
全世界株式(オール・カントリー)
いわゆるオルカンとよく言われる商品です。
このオルカンは世界全体にまんべんなく分散投資を目標とした銘柄で、一部新興国などを除いて全体的にバランスよく投資ができる銘柄です。
全世界に平均的に投資ができると聞き、「じゃあ成長率は低いのかな」と思いきや、平均リターン率(収益率)は過去20年間で年率平均約6%と高いです。
5年の間でいえば20%程にもなります。
S&P500
オルカンが全世界を投資先としているなら、S&P500はアメリカに投資をする銘柄です。
より詳細に言いますと、500社の代表的な企業に絞った指数に対して投資をするものです。
アメリカといえばここ数十年のあいだGDP世界第1位の経済のナンバーワン大国です。
平均リターン率ですが、過去20年で約8%のリターン率となります。
ここ5年の平均リターン率はとても好調で20%もの高リターン率になります。
※上記のリターンはあくまで過去の実績であり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。また、税金や手数料を考慮する前のものです。
結局どっちがいいの?
「おすすめの中で選ぶならコレってのはどれ?」、どちらでも問題ないと思っております。
投資信託は実に合理的な投資商品なので、銘柄を選ぶことよりもより長期運用をしていくのかが重要です。
どうしても成長率のみで比較するとアメリカに投資するS&P500が正解にも思えますが、あくまでここ数十年の成績がリターン率となっており、未来のリターンを約束するものでは決してありません。
オルカンとS&P500のどちらを選んでも良い理由は、投資の本質が「リスク分散」にあるからです。
アメリカも1国とはいえ、500社に分散されており、オルカンは全世界に分散されています。
また売却をしてしまうと長期投資によって生まれる複利の力も得られなくなります。複利効果は時間をかけて資産を大きく成長させる重要な要素であり、短期的な売買を繰り返すことでこの恩恵を失ってしまいます。

価格変動リスクが大きいと、どうしても日々の値動きが気になって、不安から途中で売却してしまう『狼狽(ろうばい)売り』をしてしまう可能性も高まります。自分が納得して、安心して長く持ち続けられると思える対象に投資することが、長期投資を成功させるコツの一つですね。
結論:始めることと続けることが最重要
どちらの銘柄を選んでも、最も重要なのは「今すぐ始めて、長期間続けること」です。
投資信託の真の力は時間の経過とともに発揮されます。
完璧な銘柄選びに時間をかけるよりも、早く始めて定期的に積み立てていくことの方が、最終的なリターンに大きく影響します。
初心者の方には、まずは少額から始めて、投資に慣れていくことをおすすめします。
その過程で自分の投資スタイルや許容できるリスク水準が見えてくるでしょう。
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