日々の体調管理や、専門用語が並ぶ検査結果の読み解きに難しさを感じたことはありませんか。OpenAIが新たに発表した「ChatGPT Health」は、最新のAI技術を活用して個人の健康管理を強力にサポートする新機能です。これまでの一般的な回答とは異なり、あなた自身のデータに基づいたパーソナライズされたアドバイスが可能になります。
出典元: https://openai.com/ja-JP/index/introducing-chatgpt-health
ChatGPT Healthの概要と主な機能
ChatGPT Healthは、ウェアラブルデバイスやウェルネスアプリ、さらには医療機関の電子記録とChatGPTを安全に接続し、一人ひとりの状況に合わせた健康支援を行うための新しい機能です。
Appleヘルスケア、MyFitnessPal、Functionといった主要なプラットフォームと連携し、睡眠、食事、運動、血液検査の結果などを総合的に把握した上での対話を実現します。
この機能の大きな特徴は、医療現場での実用性を重視している点です。具体的には、複雑な検査数値を分かりやすく整理したり、受診前に医師へ伝えるべき症状や質問事項をリストアップしたりすることができます。これにより、診察の限られた時間をより有効に活用できるようになります。
医師の知見を取り入れた安全性と信頼性
AIが健康情報を扱う上で最も重要な「安全性」についても、徹底した対策が講じられています。OpenAIは2年以上にわたり、世界60カ国以上の医師260名以上と協力。60万回を超えるフィードバックを通じて、回答の緊急度の判断や、断定を避ける適切な表現などを調整してきました。
また、臨床的な基準に照らして品質を評価する独自の枠組み「HealthBench」を導入し、実用場面での信頼性を高めています。あくまで医師による診断や治療を代替するものではなく、専門的なケアを補完し、ユーザー自身の意思決定をサポートするツールとして設計されています。
プライバシー保護と今後の展開
健康データという機微な情報を扱うため、プライバシー保護も厳格です。接続された個人の健康記録や活動データがOpenAIの基盤モデルの学習に使用されることはありません。ユーザーは自身のデータをコントロールしながら、安全にAIの利便性を享受できます。
本機能はまず限定的なユーザーを対象に提供が開始されており、専用の順番待ちリストへの登録が可能です。今後数週間以内には、Web版およびiOSアプリを利用するすべてのユーザーに向けて順次拡大される予定となっています。AIが日常の健康に寄り添う、新しいセルフケアの形が始まろうとしています。
【感想】ウェアラブルデバイスとの連携に期待
ChatGPT Healthの発表を聞いて、まず印象的だったのは、OpenAIがセキュリティと安全性を非常に強く主張していることです。個人の健康データという極めて機微な情報を扱う以上、これは当然の姿勢と言えるでしょう。
プライバシー保護の徹底や、データがモデル学習に使用されないという明確な説明は、ユーザーの信頼を得る上で不可欠な要素だと感じます。
スマートフォンアプリの「あすけん」のように、写真を送って食事を評価・記録してもらうサービスは既に存在しています。しかし、ChatGPT HealthがAppleヘルスケアやMyFitnessPalなどと連携することで、より包括的な健康管理が可能になることが期待されます。さらに、今後はスマートグラスなどのウェアラブルデバイスとの連携も進むのではないでしょうか。デバイス間の競争が激化することで、ユーザーにとってより便利で直感的な健康管理体験が実現する可能性を感じます。
一方で、OpenAIが「モデル学習に使用されない」と明言している点から考えると、今回のヘルスケアデータの活用は、これまで治せないとされていた難病の研究を推進するといった、より大きな社会的インパクトを生み出す段階にはまだ至っていないように見受けられます。
現時点では、あくまで個人のセルフケアをサポートするツールとしての位置づけが強いのかもしれません。とはいえ、この基盤が整うことで、将来的には医療研究への貢献も期待できるのではないでしょうか。

